プーチン大統領の脅しと焦り

■プーチン大統領の脅し
プーチン大統領は中距離弾道ミサイルの配備で欧米を脅した。見た目は威勢が良いのだが、ロシアの苦境を隠すことが目的だ。

西側標的の新ミサイル配備も プーチン大統領が警告
http://www.afpbb.com/articles/-/3212139?cx_part=top_category&cx_position=3

■冷戦期と冷戦後の違い
冷戦期は東西に別れて対立した。米ソ冷戦は核ミサイルを用いた睨み合い。通常戦力を用いた戦争は軽視され、核ミサイルを撃ち合うだけが戦争手段になっていた。そうなれば戦術と戦略は消え、通常戦力の兵器は陳腐化した。

理由は人材・資金・技術が核開発と核ミサイル運用部隊に最優先に回された。そうなれば通常戦力は現状維持になる。しかも核ミサイルは金食い虫で、毎日何らかの点検をしなければ発射できないほど繊細だった。

冷戦期の東西両陣営は核ミサイルの維持費に苦しんだ。だが冷戦が終わると核保有国の多くが通常戦力を重要視した。核保有国は戦術・戦略が復活したが、弱小国は逆に核ミサイルを保有する。

■核兵器で補う
国際社会では軍事を背景に外交を行う。

国家戦略=外交×軍事

だが通常戦力で劣る弱小国は強国と対等に外交ができない。そこで冷戦後の弱小国は核ミサイルに手を出した。

強国 :国家戦略=外交×軍事(通常戦力・核ミサイル)
弱小国:国家戦略=外交×核ミサイル

核ミサイルは軍事を置き換えることができたので、弱小国でも核ミサイルを持てば強国と対等になれた。だから北朝鮮・イランは核ミサイルに手を出した。

■核兵器の配備と配備予告は別物
プーチン大統領は西側首都を攻撃できる核ミサイルを配備するとは言っていない。核ミサイルを配備する可能性を伝えただけ。“配備した”と“配備するかも”は別物。

プーチン大統領は現在存在しない核ミサイルを外交カードにした。これはロシアの存在感を巨大に見せ、欧米との外交交渉を有利にするための脅し。

■プーチン大統領が脅す理由
核ミサイルの扱いは冷戦期と冷戦後で違っている。冷戦後は通常戦力で劣る国が核ミサイルに依存するようになった。つまりロシアは通常戦力で外国と戦争できないことを示唆している。

プーチン大統領が自国を大きく見せて脅す理由は、核ミサイルに依存しなければならないほど弱体化していることを隠すため。ロシアも通常戦力の研究開発を行っているが、ロシア軍全体を近代化できない。だからプーチン大統領は核ミサイルで欧米を脅している。悪く言えば「弱い犬ほどよく吠える」。

"プーチン大統領の脅しと焦り" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント