過去のパターンだとトランプ大統領は主導権を失う

制限戦争論:キッシンジャー(アメリカ)
「交渉と戦闘は段階的に推進すべき。戦略の目的は敵政治意志の譲歩であって敵軍の撃破ではない」

トランプ大統領は制限戦争を採用しているから、北朝鮮の対応に合わせて交渉と軍事的恫喝を段階的に進めています。制限戦争は理屈として正しいのですが、経験則から見ると間違った対応です。

1950年代のアメリカのペンタゴンは、核戦争のシナリオを次の様に考えていました。

1:戦術核で戦場の敵軍を攻撃する。
2:戦域が拡大する。
3:戦略核でお互いの国土を攻撃する。

開戦して戦術核を用いると段階的に戦闘が拡大し、戦略核でお互いに本土を攻撃すると想定しました。問題なのは敵の戦略核の位置が不明であり、いつ攻撃するか不明な点です。これは戦術核の使用で、戦略核の位置が段階的に判ると想定しました。

当時のペンタゴンは対応できるとアメリカ政府に報告すると、アメリカ政府は段階抑止戦略を公表。キッシンジャー博士は、この段階抑止戦略を支援するために制限戦争論を発表しました。

この流れは今の北朝鮮対応と酷似しています。北朝鮮の核施設や核兵器運用部隊の位置は全て判っていません。北朝鮮の動きで核兵器運用部隊の位置が判ると想定したとすれば、対北朝鮮対応は制限戦争になっても不思議ではない。

1950年代は冷戦で緊張しましたが、当時のソ連と中国も対応したので核戦争には至りませんでした。ならばトランプ大統領は、北朝鮮が強気になれば軍事的恫喝を行い、穏健になれば外交で対応するパターンになります。

1950年代の流れでは、結果的にアメリカが主導権を失っています。パターンが同じであれば、トランプ大統領も主導権を失うことになります。

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