ロシアの覇権が拡大している

■ホルムズ海峡で軍事演習
 ロシアとイランがホルムズ海峡付近で軍事演習を行うことが明らかになった。これはロシアの覇権が拡大したことを意味し、ホルムズ海峡のアメリカ優勢は崩れ始めている。

ロシアとイランが合同海上演習へ 米「有志連合」構想に対抗か
https://www.sankei.com/world/news/190731/wor1907310010-n1.html

■トルコの立場
 トルコとアメリカの対立関係が進み、トルコはロシア陣営になった可能性が高い。そうなればボスポラス海峡とダーダネルス海峡は、ロシア海軍が自由に移動できる。つまりロシア海軍は地中海への進出は自由だが、逆にアメリカ海軍は地中海から黒海への進出は困難になった。

 しかもイラクはイランに接近しているので、ロシアはトルコ・シリア・イラク・イランと言う広大な緩衝地帯を獲得したことを意味する。これではアメリカ軍の戦略的優位性が低下する。

 致命的なのはトルコがロシア陣営に参加する場合。これは最悪で、アメリカ海軍はロシア海軍の地中海進出を容易にする。アメリカ海軍はロシア海軍を撃破可能だが、アメリカ海軍はダーダネルス海峡とボスポラス海峡を超えて黒海に進出が難しくなる。

 ロシア海軍は地中海への進出は自由だが、アメリカ海軍は黒海へ進出できない。これだけでもアメリカ海軍の戦略的優位性が低下。しかもロシアは、トルコ・シリア・イラク・イランを緩衝地帯にできるので、ロシアは南方防衛で有利。

■黒海へ進出する場合
 仮にアメリカ海軍が黒海に進出してロシア海軍を撃破するには、トルコに侵攻してダーダネルス海峡とボスポラス海峡を獲得しなければならない。これには海軍航空隊・海兵隊・陸軍を投入することになる。

 だが戦力をダーダネルス海峡占領に投入すると、この段階で戦力を二分する。戦力の分散は不利になり、仮にトルコ軍に勝利しても容易にはダーダネルス海峡とボスポラス海峡を獲得できない。

 他にはアメリカ陸軍とアメリカ空軍をウクライナに進出させ、ウクライナ南部から黒海を攻略する道もある。だがこの場合は、陸軍戦力10万人は必要になる。何故なら陸戦の基本単位は10万人が一人前。そうでなければウクライナの戦域ではロシア軍に対抗できない。 トルコがロシア陣営に参加することは、これだけ無駄な戦闘を行うことを意味する。

■ロシア海軍とイラン
 ロシア海軍がホルムズ海峡まで進出し、イランと軍事演習することは軍事的には無意味であり自殺行為。だが政治的には意味が有る軍事演習。

海軍戦略=艦隊+基地ネットワーク
海洋戦略=目的(制海権の獲得)・手段(敵艦隊+敵基地ネットワークの破壊)・方法(艦隊と基地ネットワークの造成)

制海権=艦隊+基地ネットワークの継続利用。

 制海権は基地から戦場まで継続的に往復できる範囲。今のロシア海軍は、トルコがロシア陣営になれば地中海までは継続的に往復可能。だがスエズ運河・紅海などはアメリカ陣営が容易に獲得する。これではロシア海軍はホルムズ海峡で継続的な作戦は行えない。だから軍事的にはホルムズ海峡での軍事演習は無意味。だが政治的には効果が有る。

1:トルコはロシア陣営
2:ロシアの覇権がトルコ・シリア・イランまで拡大している。

 上記2点が示されているので、アメリカの覇権が中東から縮小している証。さらにロシア海軍とイラン海軍がホルムズ海峡で軍事演習を行えば、アメリカは容易には手が出せない。さらにアメリカ主導の有志連合は、ホルムズ海峡での作戦が制限される。

■トランプ大統領は何をする?
 ロシアとイランのホルムズ海峡における軍事演習は軍事的には無意味。だが政治的には効果が有る。トランプ大統領がロシアの覇権拡大に反応するなら、おそらくイスラエルにアメリカ空軍を派遣するだろう。

 トランプ大統領のこれまでの方針を見ると、軍事的には意味が無い部隊派遣が多い。この延長から推測すると、アメリカ空軍のF-15かF-35Aを10機前後イスラエル空軍基地に派遣するだろう。
 
 イスラエル空軍はアメリカ製のF-15とF-35Aを採用しているので、メンテナンスで優位になる。それに航空機なら緊急展開可能。この理由からトランプ大統領はアメリカ空軍をイスラエルに派遣すると推測する。

 トランプ大統領はロシア海軍への対艦攻撃は考慮しないと思われるので、「アメリカ空軍が制空権を獲得するから、ロシア海軍への攻撃はイスラエル軍に任せる」方針になるだろう。もしくはアメリカ空軍をイスラエルに派遣するだけで、ロシア海軍を牽制することが目的になる。つまりロシア政府を威嚇するだけの政治的派遣だ。

■悪化する対立
 アメリカ大統領選挙が近づくと、それだけロシア・中国・イラン・北朝鮮・トルコなどの対立が悪化するはずだ。だから2020年の1月まで持ちこたえれば良い。アメリカ大統領選挙は11月だから、2020年2月以降の協議は時間的に無価値。

 だから国家間の協議になれば、2019年の12月までに結果が出なければ無価値になる。トランプ大統領が選挙で再選するとは限らない。北朝鮮の非核化・米中貿易戦争・イランとの対立などが解決しない場合は、トランプ大統領は再選できない。

 トランプ大統領は今になって気付いた様だが、トランプ大統領は短期戦で挑まなければ大統領選挙で勝てない。そうなれば対立関係が悪化して、北朝鮮とイランに空爆を行う可能性も有る。



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