イランの外交交渉

■イランの強気
 イランはアメリカの経済制裁で包囲されている。紛争も戦争も単独では行わない。必ず友好国と連合して対処する。アメリカは複数の国でイランを包囲。イランの友好国は外部から支援。見た目のイランは孤立無援で包囲されているが、イランは孤独ではない。しかもイランは、交渉材料を作りアメリカに挑んでいる。

イラン外相、恒久的査察受け入れ提案=米国に制裁解除要求
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019071900332&g=int

■核保有国の思惑
 先発組の核保有国は後発組の核保有を認めたくない。理由は、核兵器を持つだけで強国アメリカと対等になれる。だから先発組の核保有国は核兵器の拡散を望まない。

国家戦略=外交×軍事

 外交は軍事を背景に行う。何故なら政治の延長に戦争が在り、戦争は政治の手段の一つ。だから通常戦力で劣る国は発言が困難。だが核兵器を保有すれば、強国と対等になれる。

外交×軍事=外交×核兵器

 だから北朝鮮の様な国は核兵器の保有に邁進する。仮に通常戦力でアメリカに劣っても、核兵器を持てば軍事力の代わりになる。この現実が先発組の核保有国の優位性を失わせる。だから先発組の核保有国は、これ以上核保有国が増えないようにした。これが核合意の前提条件。

■濃縮ウラン
 濃縮ウランでも低濃縮ウランと高濃縮ウランに区分される。低濃縮ウランは濃度20%未満。これは商用原発に使われる。高濃縮ウランは濃度90%以上。これは核兵器に必用な濃度。

低濃縮ウラン:20%未満・商用原発用。
高濃縮ウラン:90%以上・核兵器用。

 商用原発として使うならば低濃縮ウラン。今のイランは低濃縮ウランの範囲内で濃縮を進めている。だから19%までなら商用原発だと言える。だが濃縮ウラン20%に達したら、これは明らかに高濃縮ウランを求める数値。イランが核兵器用の高濃縮ウランを目標にしているかの判断は、濃縮ウラン20%が基準。

 商用ならば濃縮ウラン20%は求めない。これは明らかに高濃縮ウランへ進む入り口。濃縮ウラン20%は核兵器を求める意思を示すから、イスラエルがイランを攻撃する条件を満たす。

■交渉材料を作る
 イランは核合意で定められた濃縮ウランの「比率と量」を超えたのは事実。だが低濃縮ウランの範囲内。明らかな合意違反であり世界への挑戦。同時にイランは、アメリカとの交渉材料を作っている。

 外国と交渉するには交渉材料が必用。取引や譲歩にしても交渉材料が無ければ行えない。そこでイランは、濃縮ウランを用いて交渉材料を作っている可能生が有る。

 例えば、基準量は200kgだが全体で500kgを作った。この場合の超過量は300kg。この時交渉相手が、「超過量300kgを提出すれば経済制裁を解除する」と言う可能生が有る。

 イランは意図的に交渉材料を作り、アメリカが経済制裁を解除する条件にしている可能生が有る。交渉相手が無ければ作れば良い。

■過去の例
 理想的な外交と軍事は、「軍事力を用いて相手国から奪い取り、それの返還を交渉における交渉材料にすること」。

典型例1:18世紀プロイセン(ドイツの母体)
プロイセンのフリードリヒ大王は、ブランデンブルグ選挙公の肩書を持っていた。オーストリア皇帝の継承は選挙による投票で選ばれる。フリードリヒ大王は選挙権を交渉材料とし、オーストリアのシレジアを要求。

典型例2:シレジア戦後
オーストリアは対プロイセン同盟を持っていた。プロイセンは対プロイセン同盟を解除させる目的で、先制攻撃によりオーストラリアのサキソニアを奪取。その後サキソニアの返還交渉を材料に、対プロイセン同盟の解除交渉を計画。

典型例3:北朝鮮による拉致
北朝鮮は日本人を拉致し、返還交渉を用いて日本から食料・金などを要求。

 イランとアメリカで類似するのはドイツの前身であるプロイセン。プロイセンのフリードリヒ大王は、積極的に交渉材料を作り対プロイセン同盟に対抗した。

 フリードリヒ大王は交渉材料を意図的に作り、相手国と対応に渡り合う。サキソニアを軍事力で占領し、サキソニアの返還で対プロイセン同盟解除を計画した。

■交渉か戦闘か?
 7月18日にイラン関係が一気に動いた。イランはパナマ船籍のタンカーを拿捕したと公言。そしてアメリカ海軍は、接近したイランの無人機を撃墜したと公言。これで緊張が高まるのは明らか。

 戦闘回避で交渉するか、それとも戦闘になるか不明。トランプ大統領が「濃縮ウランの超過量を出せば制裁解除する」と言えば、緊張は一気に低下する。だが一触即発の危険性も有るから予測が難しい。

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