アメリカによる意図的な緊張演出

■軍隊増派
 アメリカはイランと対立中。日々悪化しているが、双方は交渉する環境を作らない。そんな時にアメリカは中東へ戦力増強のニュースを流した。中東へ派遣する戦力は、報道機関で異なり最大1万人から5千人と幅がある。

米国防総省、中東への米兵5000人追加派遣要請を検討=当局者
https://jp.reuters.com/article/pentagon-middle-east-idJPKCN1SS30A

■基準から見る
 中東に派遣する戦力は5千人から1万人規模。報道機関で異なるのは、意図的に曖昧にされた可能性が有る。ならば基準から見るほうが良い。

・陸軍一個師団:2万人前後・戦術の最大単位であり戦略の最小単位
・陸軍二個師団:戦争では威力偵察
・陸戦は10万人規模で一人前の戦力
・国境付近に4万人以上の兵力を集めない。

 アメリカ軍がイランに侵攻するなら陸軍戦力10万人は必要。さらに対地支援する攻撃機隊・制空権を確保する戦闘機隊・制海権を獲得する空母打撃群などが必要になる。空母打撃群ならば3個は必要だ。

 国境付近に4万人以上の戦力を集めないのはマナー。仮に4万人以上の戦力を集めると、戦争準備の侵攻と見なされ、仮想敵国は先制攻撃が行える。これは正当な先制攻撃になり、国際社会では黙認される。

 アメリカ軍がイラン付近に4万人以上の戦力を集めたら要注意。これはイランから攻撃するように仕向ける戦力の可能性が有る。

■攻勢ではない
 今の戦力ではイランに対して攻勢は行えない。10万人を超える戦力になれば戦争準備。毎日5万トンを超える物資が移動し集積される。これは誤魔化せないから、現段階ではイランとの戦争は計画されていない

 戦争準備の期間は半年が基本。アメリカ軍は3ヶ月で準備する構想が有るが、現段階では実施されていない。どちらにしても、戦争準備になれば目に見える動きになる。戦争準備が始まれば最短3ヶ月で戦争が始まることになる。

 だがアメリカ軍の戦力では防御戦闘しか行えない。中東に派遣される戦力が空軍・海軍だとしても、5千人程度ではイランへの空爆しか行えない。実行されても大規模な空爆に留まる。何故なら陸戦部隊が存在しないからだ。

■機能から見る
 機能の概念は歩兵・騎兵・砲兵に分けられる。これは弓矢で戦った三千年前から現代まで変わらない概念。

兵科の機能
歩兵:正面攻撃・占領機能
騎兵:側面攻撃
砲兵:正面防御
 
 ミサイルを用いても火力攻撃だから砲兵と同じ。火力攻撃は敵軍を動けない様に拘束し陣形を撹乱することが目的。

戦闘の5機能
1:発見
2:拘束(火力攻撃・遠距離)
3:撹乱・制圧(火力攻撃・遠距離)
4:機動
5:打撃・占領(接近戦・近距離)

 発見した敵をミサイルや砲撃で拘束し、自軍の機動部隊が敵軍に向けて機動する。最後に機動部隊が敵軍を撃破して占領する。土地を占領できるのは歩兵のみだから、歩兵が存在しなければ戦場で勝利は得られない。だから火力攻撃だけではイランの革命防衛隊を消耗させるだけ。

■機動の目的論と機能論
 機動には目的論と機能論が有る。そしてアメリカ軍の機能論は基本とは異なる点がある。これを説明したい。
 
機動の目的論
「敵を窮地に陥れるように戦術的に運動すること」
「敵の弱点に向かって運動することによって、敵の作戦計画を崩壊させ、敵指揮官や敵部隊の神経を麻痺させること」

機能論(基本)
「戦場において打撃手段を有する部隊の運動を戦術的に操作すること」

アメリカの機動論
「機動とは敵の弱点に向かって部隊を移動し、相対的に大きい火力を発揮して撃破することである」

 機動の機能論は基本とアメリカ軍では概念が異なる。基本は敵部隊の弱点に自軍が移動する概念だが、アメリカ軍は敵の弱点に火力を集めて叩き付ける概念。この違いが有る。

■イランへの機動
 今のアメリカ軍はイランの革命防衛隊に対して部隊を集め、革命防衛隊よりも火力が高くなる様にしている。これは火力で革命防衛隊を拘束・撹乱することが目的。革命防衛隊は隠れるか移動を制限する。だからミサイル攻撃で革命防衛隊を撃破することはできない。

 これではイランに勝てない。長期戦になることは明らか。見た目は欠点だが中東の平和維持活動が行え、イランに対して抑止力になる。これが、アメリカ政府が言う抑止力の意味。

 イランとの対立が長期化することは都合が良い。理由はアメリカの主敵は中国。アメリカの真の目的は中国の一帯一路潰し。一帯一路はアメリカの平和を否定する経済圏であり、人民解放軍を用いた世界の警察が目的。つまりアメリカは第三次世界大戦をイランで間接的に始めている。

 イランを潰すか長期化すれば、経済圏である一帯一路は機能停止。何故なら経済圏は安定料で来てこそ価値を持つ。テロや紛争で遮断されるなら価値が低下する。しかも長期化すれば一帯一路は無価値になる。

 一帯一路を守るには、アメリカの様に世界の警察を自称し、人民解放軍を素早く展開しなければならない。だが今の人民解放軍ではイランまで人民解放軍を派遣する基地ネットワークと部隊が存在しない。

 しかも今の状況で人民解放軍をイランまで派遣すれば今の平和を否定する。今の平和を否定するから悪の国になり、中国は悪の国として世界から敵視される。これが国際社会。各国は今の平和を否定しないように間接的な戦争で対応する。

 中国は人民解放軍を義勇兵としてイランに派遣することは可能。何故なら義勇兵を使えば間接的な戦争になり今の平和を否定しない。戦前のアメリカは義勇兵フライングタイガースを派遣し日本と間接的に戦争した。さらに朝鮮戦争では人民解放軍を義勇兵として派遣。

 問題なのは義勇兵派遣では長期戦になる。アメリカが長期的にイランと対立すれば、人民解放軍を義勇兵として派遣しても一帯一路の価値は低下する。最悪の場合は、一帯一路は無価値になる。そうなれば習近平主席は失脚する。

■アメリカの狙い
 アメリカの主敵は中国。アメリカはイランを虐めて中国の一帯一路を遮断する。中国は人民解放軍をイランに派遣できるが、これを行えば今の平和を否定する。最悪の場合は、中国は悪の国にされる。人民解放軍を義勇兵としてイランに派遣できるが、これでは長期化して一帯一路の価値が無くなる。

 さらに米中貿易戦争で、ファーウェイへのOS供給を停止。これで中国の優良企業を苦しめる。OSが無ければスマートフォンやパソコンは動かない。基本機能だけ使えても消費者には魅力が無い。

 独自の技術を持たない中国の弱点を突くことで、米中貿易戦争で有利に戦っている。アメリカは直接中国と戦争しない。間接的な戦争で中国を苦しめている。これは中国から戦争を始めさせるための包囲網。

 だが中国が怒って開戦したら悪の国にされる。中国共産党は知っている。だから中国からは動けない。アメリカは知っているから間接的な戦争で中国を虐めている。一帯一路を潰せば習近平主席は失脚する。これがアメリカの狙いだろう。


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