戦術核の現実

■戦術核は作られたが
 核威力1キロトンの戦術核は1950年代には完成していた。1955年にアメリカは台湾と米華相互防衛条約締結する。ダレス・アメリカ国務長官は「金門・馬祖島の防衛に原子兵器を使う用意がある」と中国を威嚇した。

 だが中国は1955年に淅江省沿岸諸島を占領。時の中国はアメリカの恫喝など気にしなかった。蒋介石軍は大陳島から撤退し、後の地域紛争と戦術核の価値が問われるようになる。

■核威力
 戦術核2キロトンならば破壊半径0.88キロメートル。標準原爆20キロトンで半径2.45キロメートル。ならば戦術核ならば戦場で使えると思われた。

円の面積:半径×半径×3.14
 2キロトン:半径0.88km    2.4平方キロメートル
20キロトン:半径2.45km   18.8平方キロメートル
 2メガトン:半径18.2km   1040平方キロメートル
20メガトン:半径  48km 7234.6平方キロメートル

■戦術核の限界
 戦術核ならば破壊半径は小さい。だから戦争で使えると思われた。実際はアメリカでさえ中国相手の地域紛争でも使えなかった。理由は戦術核であっても敵国も報復攻撃を行う。敵国も戦術核で報復すれば汚染地帯は広がる。お互いに報復合戦を行えば、結果的にメガトンクラスの戦略核と被害は同じ。

 しかも戦術核も核兵器。一度使えば使用範囲が広がり、結果的に共倒れの相殺戦になることが明らかになった。

■放射能汚染
 戦術核も核兵器だから使用すれば汚染地帯を作る。戦争は土地を占領することで勝利が得られる。戦術核の汚染地帯は小さいと言われても、そこを占領することが難しい。しかも土地を再利用することも難しいから、一度使うと再利用までコストが掛かる。

 土地を占領して使えるから戦略的に価値が出る。汚染地帯が戦略的価値は無いことは明らか。さらに戦術核でも汚染された瓦礫を作るので、瓦礫の撤去など現実的に解決されていない。

■勝利を追求するなら
 核保有国は勝利を追求するなら戦術核でも使えないことを理解する。そうなると核兵器は政治用の恫喝兵器になる。同時に地域紛争でも戦術核は使えないことが明らかになった。

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