「国防方針と戦場設定を理解しない政治家が問題の本質」

「国防方針と戦場設定を理解しない政治家が問題の本質」
氏名 上岡 龍次

■日本の国防
戦後日本は反戦病を患っている。全ての戦争を悪と断定し、日本の国防すら否定する始末。日本が戦争を捨てても、世界には戦争を否定しない国ばかり。この現実を無視している。

日本は外国への遠征を否定し専守防衛を選んだ。専守防衛は本土決戦であり、最初から国民を戦禍に巻き込むことを前提とした策。戦争反対を叫ぶ者は、専守防衛の意味すら理解していない。これが日本の現実。

■老兵が政治家に教えたが
今は故人だが、松村劭(陸相補)様が退官後に政治家へ教えたことを紹介したい。下記内容は欧米軍では基本であり、社会科学としての戦争学。だから秘密ではなく民間人が知っておくべき内容です。

国防方針   :領土・領海・領空を戦場にしない(戦場は国境から国防線の緩衝地帯)
海洋国家の戦場:大陸の港の背中(海岸から内陸まで200kmが侵攻限界)

国防方針の手順
1:国防の基本方針で防衛の目標を定める。
2:どのように守るかの「戦略」を立てる。
3:仮想敵国に対する「防衛戦争計画(Defense war plan)」と「有事動員計画」を作成するとともに、予期しない脅威の発生に対応する「不測事態対処計画(contingency plan)」を備えておく。
4:防衛戦争の危険が発生しないように、国際社会と協力する「関与の戦略」を立てる。
5:戦闘ドクトリンを研究開発し、それを演練する常備軍を編制する。そして、防衛戦争計画と動員計画の発動に備えた「平時体制」を整備する。
6:防衛インフラストラクチャーを強化するため、基地を戦略的に展開・整備する。

既に30年を経過していますが、日本の政治家は今も理解していません。民間人でも基本を知れば、今の国防方針が無意味だと判ります。

■日本の戦場は大陸の海岸線
日本は海洋国家だから、日本の戦場は大陸の海岸線。これは秘密ではなく、約3000年間変わらぬ基本。このため国防方針として公にしても批判されない世界。仮に批判する国は、「
欧米軍から戦争学を知らない国だ」と笑いのネタにされます。それだけ当たり前の基本なのです。

海洋国家の陸軍は遠征部隊。陸軍そのものがアメリカ海兵隊と言える運用をします。実際にイギリス陸軍は本土防衛ではなく海兵隊の様に遠征します。海洋国家の空軍と海軍の戦場は、大陸の海岸線に設定します。だから陸海空軍の戦場設定は同じです。

海洋国家の陸軍は本土防衛用ではありません。なぜなら海洋国家は海を敵国に奪われたら敗北しているからです。日本の様に海に囲まれていると、敵国に海上交通路を遮断されたら国内輸送と生産が停滞します。さら飢餓が始まるので陸軍で本土防衛などできないのです。

実際に戦前の日本は、アメリカ軍により海上交通路を遮断されました。アメリカ軍は日本の海上交通路を潜水艦と機雷を用いて遮断しました。日本の輸送船は潜水艦と機雷で撃沈されます。

アメリカ軍が日本の海上交通路を遮断し始めると、日本は三か月後から飢餓が始まりました。これは国内輸送すら燃料不足で行えないので、生産した食料を都市部に運べないのです。

外部から資源が入手できないのであれば武器すら作れません。だから海洋国家は海を奪われると陸軍を用いた持久戦は不可能なのです。

■日本はイギリスから学べ
第二次世界大戦のイギリスはドイツ軍の上陸を恐れました。そこでイギリスは北アフリカに戦場を設定しました。イギリス陸軍を北アフリカに遠征させ、現地のドイツ軍と戦わせます。ドイツは北アフリカ戦線が長期化したことで、イギリス上陸作戦が頓挫しています。

この様に海洋国家は、国土から戦場を遠くに置くのが基本。宮古島に地対艦ミサイルを配備することは国防ではない。これは本土決戦が前提の配置だから、最初から国民を戦禍に巻き込むことが前提になっている。これは自衛隊の責任ではなく政治家の責任。

軍政:宣戦布告・停戦・休戦・国軍に戦争の政治目的を付与する。
軍令:軍隊の組織と運用は経験則に従い原則として自由。

軍政:法の枠内の話。
軍令:憲法・法律などの法外の話。

政治家が軍政権を持っており、自衛隊は軍令権で動いている。政治家が軍政権を用いて国防方針と戦場を設定する。だから政治家が専守防衛を方針とすれば、想定される戦場は国土を戦場にすることになる。

■責任は政治家に有り
現場の自衛隊は、政治家の国防方針に従い宮古島に部隊を配置された。だから問題の本質は政治家の無理解に有る。理解すべきは政治家であり自衛隊ではない。

政治家は国防を行っていると勘違いしており、現実は国民を戦争の惨禍に巻き込む本土決戦を自衛隊に強制している。これでは政治家として国防の失敗。

政治家は日本を海洋国家だと認識し、大陸の海岸線が戦場だと認識しなければなりません。そうでなければ自衛隊は国民を守れない。戦場を国境から遠くに離して、国民を守る方針に変えるべきだ。

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