世界の警察とアメリカの弱体化

「世界の警察とアメリカの弱体化」

■世界の警察だったアメリカ
アメリカは建前として、世界平和を目的として軍隊を世界各地に展開させた。軍隊を世界各地に展開させたアメリカは世界の警察を自認する。これは建前で、本音はアメリカに都合が良い平和のルールを作るためであり、アメリカの国益を守るための軍展開だった。アメリカは世界の警察と称し、世界各地に軍事展開できるように基地ネットワークに邁進した。アメリカが求めた基地ネットワークは、2000年代初期には完成した。

基地ネットワークは建前である世界の警察を行う上で必要だった。世界各地で発生する地域紛争に対応できるし、反米的な国を攻撃するために機能する。基地ネットワークが完成すると、911以後の対テロ戦争で機動力が発揮されたのは事実だった。基地ネットワークはアメリカ軍に戦略機動と補給物資の移動で有益だった。だが対テロ戦争が長期化すると、次第にアメリカの国力を弱体化させていく。

基地ネットワークは敵国の軍隊を撃破することが目的であり、テロ組織を撃破することは任務外だった。何故ならテロ組織は司令部を持たず、しかも土地を占領しない。だからアメリカ軍がテロ組織を粉砕しても、それはテロ組織の一部でしかなかった。テロ組織はアメーバのごとく増加し、時には離合集散を繰り返して継続した。アメリカが長い年月を費やして造成した基地ネットワークは、軍隊には有効でもテロ組織には効果が低かった。

■任務外のテロ戦争
軍隊の目的は敵軍撃破であり治安維持は任務外。だから基地ネットワークを用いて世界各地に展開しても、テロ組織との戦闘は決定打に欠けていた。テロ組織は軍隊ではなく犯罪組織だから治安維持が任務になる。対テロ戦の様な治安維持には諜報機関と警察組織が有効。だがアメリカは原則を無視し、軍隊を用いて対テロ戦争を実行した。

対テロ戦争に参加したアメリカ軍兵士は任務外の戦闘で苦戦する。任務外だから装備も訓練も対テロ戦争には不適格。だから任務外の戦闘で、多くのアメリカ軍兵士が負傷するか戦死した。

テロ組織は軍隊とは異なり司令部を持たない。しかも離合集散を繰り返すから、一人のテロリストも居れば10人単位のテロ組織もある。この様なテロ組織と戦闘しても、アメリカ軍では撃破できないのが現実だった。テロ組織には司令部が無いので、アメリカ軍の側面か後方から容易に攻撃できる。だからアメリカ軍はテロ組織を撃破できない。

■弱体化するアメリカ軍
2001年以後のアメリカ軍は本格的に対テロ戦争を開始した。アメリカ軍はテロ組織を
撃破できないが、テロ組織もアメリカ軍を撃破できなかった。見た目にはアメリカ軍が優勢だが、長期化する対テロ戦争でアメリカの国力を消耗させていた。戦争を見ると宗教的な熱狂で戦争しても、6年後からは厭戦気分が発生する傾向に有る。アメリカの対テロ戦争も同じで、6年後からはアメリカでも厭戦気分が発生している。

しかも長期化する対テロ戦争で戦費を消耗した。人的損害も多く心理的な傷を負う兵士も増加した。これでアメリカ軍の戦費は増加し、アメリカ軍を維持する後方支援も影響を与えているようだ。それは事故発生の増加である。航空機などは整備を怠ると墜落するから、定期的に整備をするのが基本。だがアメリカ軍の航空機の事故が次第に増加していた。

■駐留費に苦しむアメリカ
アメリカは世界各地に軍隊を駐留させている。軍隊を外国に駐留させるだけでお金がかかるので、アメリカは受け入れ国に駐留費の負担を押し付けている。建前は地域の防衛と安定だが、本音はアメリカの国益のための資金提供を求めている。

アメリカは駐留費を受け入れ国に負担させても、アメリカの国力を弱体化させていた。その原因は長期化する対テロ戦争。これで本来必要な資金が整備費用や人員育成に回らない。その結果が事故とし発生する。

アメリカ軍が後方支援すら影響を与えるほど弱体化しているならば、世界各地に駐留している軍隊はアメリカ経済の負担になっている。ならばアメリカは、節約を目的とした軍隊の撤退を計画しても不思議ではない。

■アメリカの覇権が縮小した南シナ海
アメリカの覇権が縮小したことを見抜いたのが中国。中国は南シナ海に進出し、アメリカの覇権の代わりに中国の覇権を侵食させるようになった。アメリカは太平洋の覇権は堅持しているが、南シナ海とインド洋の覇権は縮小した様だ。実際に南シナ海とインド洋には中国の覇権が拡大していた。

本来であれば、アメリカ海軍が中国の南シナ海進出を阻止する。だがアメリカ海軍は中国の南シナ海進出を阻止できないし、中国と戦争をするだけの意思を持っていない。地政学的には、大陸国家が海に進出すると海洋国家と戦争になる。何故なら、大陸国家は海も独占するから、必ず海洋国家と戦争になる。これが歴史なのに、海洋国家アメリカは大陸国家中国の覇権拡大を見ているだけだった。

■アメリカの対処療法
アメリカは弱体化し、自国だけで戦争する意思を持たなくなった。その行き着く先は対処療法だ。アメリカは無駄と思われる駐留部隊を撤退させ、代わりに地域の新米国に防衛を委託するだろう。

その候補が在韓米軍。在韓米軍を撤退させれば、アメリカの国防線が朝鮮半島から日本列島に移動する。アメリカは中国も意識しているから、台湾と日本列島が国防線に設定するだろう。そうなれば、アメリカはアジア防衛を台湾と日本に委託すると思われる。アメリカがアジア防衛を台湾と日本に委託すると長所が得られる。台湾軍を軍事強化すれば、台湾はアメリカ製兵器を購入する。これは日本も同じで、台湾と日本はアメリカ製兵器を押し売りされることになる。

だがアメリカには資金が入るから、台湾と日本の軍事強化は好都合。だからアメリカは、積極的に軍事強化を推奨するはずだ。その行き着く先は、台湾と日本に核兵器のシェアリングを押し付けることだと思われる。

アメリカは核戦力を保有しているが、核戦力の維持も負担だ。そこでアメリカは、台湾と日本に核兵器のシェアリングを申し出ると都合が良い。アメリカは台湾と日本で核兵器シェアリングを行うが、核戦力の運用はアメリカ本土か原子力潜水艦で行うだろう。核兵器シェアリングを台湾と日本の国土行えば折半になるが、アメリカ本土と原子力潜水艦で運用をするなら、本音はアメリカのための金集めになる。だから核兵器シェアリングは、アメリカ本土と原子力潜水艦になるはずだ。

■台湾と日本の覚悟
在韓米軍が撤退すると、アメリカの国防線は台湾と日本に置かれる。これは台湾と日本が戦場になることを意味し、軍事強化で挑むことを意味する。仮にアメリカと核兵器シェアリングを行えば、中国とロシアは容易には手が出せないことになる。

仮に中国とロシアが台湾と日本を核攻撃すれば、アメリカが代わりに報復攻撃を行う可能性を残す。これが中国とロシアに核攻撃の使用を躊躇させる材料にはなるが、台湾と日本はアメリカの代わりにアジア防衛で戦争する覚悟が求められる。


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